【コラム】産業保健師の歴史 〜企業の産業保健活動に関する取り組みの移り変わりの中で〜

保健師の資格というのは、日本では昭和16年に誕生し、現在ではもう70年以上の歴史が存在している資格なのですが、産業保健師が重要視されてきたのはいつ頃からなのでしょうか。産業保健師が重要視されてきたのは高度成長期の頃からですが、このときにはまだ産業保健師を採用していない企業もたくさんありましたし、それほど認知されていない職業でした。

 

それからバブル期に入ると、当然産業保健師を採用する企業も増えてきたのですが、このころはケガをしないように指導をする、健康維持のための指導をするのが中心であり、万が一ケガや病気をした時の応急処置なども当然行っていました。そしてバブルが崩壊して、日本の景気が一気に悪くなると、産業保健師の役割も変わってくるのですが、バブル崩壊後からは健康指導が重要視されているのは当然であるものの、メンタルケアを重要視する傾向に変わってきたのです。

 

なぜならバブル崩壊による不景気で、がんばって仕事をしても給料が上がらない、ボーナスも支給されないということが当たり前の時代となり、さらには政府の悪政でどんどん税金が引き上げられてしまったことで、収入が一気に低下してしまいました。そのため、バブル崩壊後はストレス社会と呼ばれるようになり、メンタルケアの重要性が高まってきました。

 

それでも健康維持は絶対に欠かせない仕事ですし、万が一ケガや病気をした時にもしっかりと応急処置ができないといけないのですが、不景気な時代でも産業保健師の存在が重要であることに変わりはなく、さらに重要性が高まったと言えるでしょう。特に現在では些細なことで裁判沙汰にする人が多くなっていることから、会社側もしっかりと対応する必要があるのです。

 

現在では大手企業を中心に求人を出している産業保健師ですが、中小企業であっても人数が大企業では、産業保健師の求人を出して採用している傾向にあります。今後はもっと産業保健師の重要性は増すでしょうが、かなり人気の職業となっているので、狭き門であることに変わりはないでしょう。

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